アクセス

JR山手線でお越しの場合

大塚駅改札口(一つのみ)を出たら左にお進みいただくと(北口)、みずほ銀行、スターバックスの入っているビルがありその7階になります。改札からビル入口までは徒歩約30秒ほどです。

都営荒川線でお越しの場合

大塚駅前停留所から徒歩1分です。

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中期中絶

中期中絶(妊娠12週0日から21週6日まで)

妊娠12週0日以上経過した場合の中絶を中期中絶と言います。12週未満とはリスクや方法が大きく異なります。更に役所への死産届の提出、火葬、納骨などの諸手続きが必要となり、入院期間も長く費用も高額となります。限られた時間の中で決断しなければならないのは困難を伴うでしょうが、出産が難しい場合に中期中絶はあらゆる面で負担が増えますので12週を超えないように考慮して下さい。

方法

12週未満の場合は、掻爬法か吸引法で行いますが12週を越えた場合は手術で対応する場合もありますが基本的には分娩という方法を取ることになります。以下分娩の際の流れをご説明します。



【 頸管拡張 】
いきなり陣痛を起こす薬を使っても、痛いだけで娩出に至りません。
ヘガールという頸管を拡張する器械を使いある程度拡げた後、水分を吸収すると太くなっていくラミナリア(ダイラパンやラミセルを併用する場合もあります)を複数挿入し、子宮口を時間をかけて更に拡げていきます。
この処置は痛みを伴いますので麻酔下で行います。
十分な広さまで拡張するのに要する時間には個人差がありますが、おおよそ1回の処置に対して半日から1日ほどかかります。週数や子宮頸管の硬さなどによっては複数回、この処置を繰り返し行わなければならないこともありますので子宮頸管を拡張するためだけでも2日程かかることがあります。
十分に拡張することで、強い痛みを伴う陣痛時間を短くしたり、子宮頸管裂傷や子宮破裂という合併症を防ぐことができるようになりますので、焦らずに時間をかけてでもこの処置をしっかり行うことが大切です。
上記合併症を防ぐだけではなく、無菌の処置を心がけ感染症の発生を防ぐこともその後の良好な経過のためには重要となります。



【 陣痛を起こす 】
十分に子宮頸管を拡張したら、プレグランジンという膣座薬を膣内に挿入します。娩出されるまで3時間毎(1日あたり5錠が上限)に再挿入していきます。まれに微弱陣痛などにより1日で娩出に至らない場合がありますがその際は、翌日から再開とするか、さらに子宮頸管を拡張するなどの処置を追加します。
陣痛は強い痛みを伴い、疲労や産後の体調不良の原因となりますので過度の負担(子宮破裂や子宮頸管裂傷の発生を防ぐ)がかかることのないように気をつけながら少しでもその時間が短くなるようにしていくことが望まれます。
陣痛時間が長いと子宮の筋肉も疲弊し、娩出後の大量出血をきたす弛緩出血の遠因ともなりますので注意が必要です。
40週頃の分娩時よりも出血量が多くなることがありますので娩出時は輸液(輸血)ルートを確保して必要に応じ適切に輸液、輸血ができるようにしておきます。
また生体監視モニターで血圧、血中酸素濃度、CO2濃度、呼吸数などを常にチェックすることによって早期の異常を見逃さず、適切な対処を迅速にできるようにしておきます。

娩出後

娩出後、胎盤の遺残がないかどうかを確認します。胎盤などが残っていると娩出後の出血が止まりにくく、出血過多となったり長期に渡って出血が続く原因となります。超音波などで確認しながら必要に応じ麻酔下で子宮内容除去術を行います。この際子宮穿孔などが起きないように注意深く行わなければならないのは言うまでもありません。ただし癒着胎盤が疑われた際にはいたずらに子宮内容除去術を行わずに出血量を見ながら慎重に対応しなければなりません。
出血量や全身状態の状況によって輸液の追加、血液検査(貧血や出血の止まりやすさ)を随時行い不慮の事故や合併症の発生を防ぎます。
娩出後の子宮収縮が良好かどうか、全身状態の経過は問題ないかどうかを判断するために半日以上(~数日)の時間を要します。

合併症

貧血や出血性ショック、DIC(止血しにくくなる状態)などの場合、全血輸血や血小板輸血などが必要になる場合があります。また稀ではありますが開腹手術により子宮全摘が必要になる場合があります。
子宮頸管裂傷をきたすと裂傷の場所によっては出血が多くなったり子宮頸管縫合術を行わなければならなくなったりします。また将来の妊娠、出産を希望される際に子宮頸管無力症の原因となり早産に繋がります。
子宮破裂はその場所によっては急速に大量出血をきたします。腹腔内に出血した場合は気づくのに遅れ上記出血性ショック、DICなどに繋がる可能性が高いため常に注意が必要です。
産後うつも生じえます。心療内科での対応も大切です。



【 搬送 】
上記合併症の発生時など高次医療機関へ対応の依頼を行い搬送させていただくことがあります。

不可能な症例

前置胎盤や複数回帝王切開、娩出を妨げるような子宮筋腫合併、筋腫核出術後、品胎(双胎以上)、その他高度の合併症を伴った場合など。
前置胎盤は内子宮口を血管の豊富な胎盤組織が覆っているため、子宮頸管拡張をしている際に大量出血をきたすことがあるため娩出の前提である子宮頸管拡張ができません。
帝王切開や筋腫核出術の既往がある場合は、切開した部分の子宮筋層が菲薄化して子宮破裂の原因となることがあるため超音波検査などでその危険性が高いと判断された場合は本処置が行なえません。子宮頸管拡張も、陣痛による筋層への負担もその原因となりえます。

入院期間

1日(12週相当)から数日。
経産か未産か、妊娠週数でも異なりますが、上記子宮頸管の拡張にどれだけ時間がかかるか、娩出後の子宮収縮、全身状態の回復の様子等によって大きく異なります。

娩出後の手続き

手続き 内容
死産届 数えで7日以内に死産届を原則、住民票のある役所の戸籍係に提出します。
火葬許可証 死産届を提出すると役所から火葬許可証が渡されます。
火葬 火葬許可証が発行されたら斎場に火葬の依頼(予約)をします。
埋葬 火葬後、埋葬許可証が出ます。お寺さんなどで埋葬を依頼します。
供養 供養を希望される場合はお寺さんなどにその旨依頼します。
供養という意味では上記全てをご自分でなされるのが良い場合もありますがお分かりにならない場合は出来る限りその方法をご説明いたします。業者に依頼(費用がかかります)することもできます。

費用

週数など状況に応じ異なります。診察後状況に応じ、ご説明いたします。
おおよそのことは事前に電話等でお問い合わせ下さい。
診察、ご相談のみであれば10,800円です。



【 出産育児手当金 】
出産育児手当金の申請が可能な場合があります。必要な書類は当院で作成いたしますので不明な点がある場合はお尋ね下さい。

いずれにしても、中絶手術(娩出)にはリスクが伴います。12週を越えた場合はリスクが明らかに増えますので12週に至らない場合で出産が難しい場合は、なるべく早く医療機関を受診し、早期の対応を依頼して下さい。12週を超えてしまった場合でも1週間違うとかなり困難さが増しますので、ご本人のリスクを減らすという観点からも1日も早い決断と医療機関への依頼を心がけて下さい。
限られた時間の中で、出産か中絶かという決断を下すのは相当に大変なことだと思いますので考える時間は必要ですが、それでも週数がなるべく大きくならないよう考慮して下さい。
お引き受けできると判断した場合は、リスクを抑えながら少しでも早く回復できるように努めます。合併症や体調不良が起きないよう、そして将来、状況が整った際に少しでも中絶による影響が生じない妊娠、出産ができるよう出来る限りの対応を致します。